今週のお題「春に食べたいもの」
4月になり、地域には新一年生が登下校する姿が見え、自分もあんな時期があったなあと、しばしば回顧することがある
小学1年生とはすごいもので、どうして初対面のクラスメイトにガンガン話しかけることができたのだろうと思う
楽しみの一つは給食で、5月ごろだったと思おうが、鰆の西京焼きが出た
小学生に気を使って、献立表には西京焼きを「さいきょうやき」と書いていたもんだから、当然の流れで、クラスの男子の中では
「最強」
と変換された
誰からともなく決闘の提案がなされる
「さいきょうやきを一番早く食べきった人が最強ね!よーいはいっ!」
単純明快この上ない申し出に好感を持ち、すぐに応じた
「関係ないし」
「よく噛んで食べなさい!」
周りから声が上がる
しかし、文句を言ったりもたもたしているようでは最強足りえないのである
7歳の少年を最強たらしめる唯一の要件、それは、眼前にあるさいきょうやきを誰よりも早く食らうことなのだから
今考えれば、魚の切り身を食べる速度で強弱が決するということはあり得ず、単なる競い合いをするためのこじ付けではないかと推察するが、これは邪推と言わざるを得ない
誰かが私に最強の称号をかけた戦いを申し出て、私がその申し出に応じるに足ると感じた時点で、ゴングはすでになっているのだから
一心不乱に一片魚の切り身を貪った私は、見事に最強となったのである
給食の時間が終わり、昼休みを告げる鐘の音、諸行無常の響きあり
運動神経が悪かった私はケードロでは警察として弱者の地位に甘んじたのである
たけき者も遂には滅びぬ、ひとえに風の前の塵に同じ
近年、毎年春になるとこの思い出がよみがえり、西京焼きが恋しくなります
西京焼きの甘じょっぱさも印象的ですが、何より、心置きなく大勢でワイワイやって食べる給食が、難しいこと一切なしのやり取りが心地よかったのです
今では「きゅうしょく」について
「いいなぁ」
「いいよね!」
と聞くと、休職や求職の方に変換されてしまいます
十中八九周りも休職について話してるんですけどね
休職なんて、ただ春の夜の夢のごとしですわ